ドローン起業家 福谷学さんにインタビュー

「ドローンで日本の問題を解決したい」  波乱万丈な人生を歩む30歳起業家の野望

20歳で起業後、3年で従業員数200名以上、年商3億円起業へ成長。しかし東日本大震災の打撃を受け、事業転換、そして破産。3ヶ月で再起し、グローバルに事業を展開する福谷学さん。日本で最も原子力発電所の多い街、福井県敦賀市に生まれ育った彼は、これから何を仕掛けていくのか。目まぐるしく変化する時代のニーズに応えていく福谷さんに、独占インタビューさせていただきました。

20歳で起業後、3年で年商3億円企業へ

「2007年、原子力発電所の機械メンテナス業で起業しました。私は生まれも育ちも福井県敦賀市です。敦賀市は、日本で最も原子力発電所の集中している街です。原発でほぼ経済が成り立っている地域で、原発に関する分野での起業を選ぶことは自然な流れでした。私はもともと誰かに指示されて働くのが苦手な気質で、起業することに迷いはありませんでした。

20歳で立ち上げた事業は軌道に乗り、3年後には従業員数が200名を超え、年商3億円へ。さらに事業を拡大させるべく、2011年2月に法人登記を行いました。

しかし、法人登記をして『いざこれから』と決意したタイミングで、事態は一変したのです。3月11日に東日本大震災が発生し、福島第一原子力発電所が爆発。その影響で法人化させた会社の事業計画は丸つぶれになってしまいました。

震災によって事業形態の急転換を余儀なくされ、私は急いで新事業を立ち上げることにしました。

新しく始めた事業は、津波がきても大丈夫な病院の施設を作ったり、病院の放射線室での放射能を遮断する水密化扉を作ったりといった、震災後のニーズに応える事業です。

病院の放射線室には、放射能が飛んでいます。放射能が飛ぶところを計算し、放射能が飛んでほしくない場所に鉛の鉄板を貼りました。病院をはじめとする施設の必要な箇所に、放射能を遮断する壁を作っていきました。福島第一原発の事故の影響で、放射能に対する国民の意識が高まったこともあり、時代の流れに合わせた事業を展開しました

 

 

現実と理想との相違で「破産」の道を選択

「震災の打撃を乗り越えることはできましたが、その後、さらに大きな壁に直面することになってしまいました。次に立ちはだかった問題は、自分の内面に起こりました。それは『理想と現実との相違』です。

震災後はAI革命で時代が急速に変化していくのを肌で感じました。『これから世の中のニーズに合わせていくには、手作業では新しい技術を生み出していけない。時代が求めるニーズに応えられない。時代に取り残されてしまう』と、危機を感じたのです。

しかし私が経営していた会社の状況と、『これからの時代に合わせたニーズに応えていきたい』といった私の理想は、全く噛み合いませんでした。

ロボットが今後ますます普及し、AI化が進んでいく変化の中で、自分の会社が今の状態で存続できるのか。それを考えたときに、『このままでは確実に時代に取り残されてしまう』と感じたのです。

理想と現実との相違に葛藤した結果、私が出した答えは『破産』。

経営していた会社を破産させて、一度すべてをリセットすることにしました」

 

空白の期間を経て、グローバル事業で再起

「破産をすると、すべてが真っ白になりました。お金もなく、人と喋ることもない、空白の期間が3ヶ月ほど続きました。私には妻子がいますが、家族で住む家も失ってしまったのです。滋賀県にある姉の家に泊まりに行ったり、敦賀市内にある妻の実家に居候させてもらったり。妻とは何度も大喧嘩になりました。

経済的にも精神的にも苦しい日々でしたが、妻が私の紹介で、市役所で働き始めたことで、敦賀市内に家を借りることができました。そのタイミングで『よし、行動しよう』という気になり、再び複数の新たなビジネスを立ち上げるために動き始めました。

今は一人でいろいろなことに楽しく取り組んでいます。事業は人とのご縁が全てです。いろいろな人とお会いして、新しい知識や情報を日々、仕入れています。AIに関する企業フェスティバルが開催されれば足を運ぶようにしています。そういった場所での出会いからも、新事業が生まれます。

今、取り組んでいる人材派遣業はグローバルです。たとえばベトナム人や中国人、ミャンマー人を大手技術系人材派遣会社に紹介する事業。ベトナムの人材派遣会社にご縁があり、その会社が日本語学校も運営しています。その日本語学校に通って日本語が喋れるようになったベトナム人実習生を日本企業に紹介し、実習生の技術力を私が判断します。

取引先の日本企業には、そういったベトナム人を50人以上、紹介しています。中国人やミャンマー人に関しても同様のスキームで、コンサルと人材管理を行ない、取引先日本企業から報酬をいただいています。

お金も家もないゼロからスタートしたこの事業、人とのご縁のみで3ヶ月で軌道に乗せることができました」

 

原発に代わる電力エネルギー燃料の販売事業にも携わる

「海外からの人材派遣業と関連させて、バイオマス発電に関わる事業にも取り組んでいます。具体的には原発に代わるエネルギーとして、木を燃やして電気を作るバイオマス発電の燃料販売を行なっています。

通常バイオマス発電所では、木質チップを燃やして火力でタービンを回しています。しかし木のチップを燃やすだけでは火力が足りず、原子力発電に比べてパワーが劣ります。また、バイオマス発電の急増で木質チップ燃料価格の高騰も問題視されています。

そこで私は、燃料にパームヤシ殼(PKS)を使用するバイオマス発電事業に携わることにしました。PKSはパームヤシの殻の部分で、パーム油を生産する過程で発生する廃棄物です。水分含量が少なく発熱量が高いことからバイオマスエネルギーとして注目されているパームヤシ殻は、主にインドネシアやマレーシアなどの東南アジアから輸入されています。パームヤシ殻を燃料のチップに混ぜることで、バイオマス発電の火力を上げることができ、一度に多くの電気を作ることができます。

敦賀市のバイオマス発電所にはすでに椰子殼チップの燃料を導入していますが、隣の大野市のバイオマス発電所にも同様のヤシ殼チップを導入予定です。

原子力発電所の管理区域内にある廃油の処分事業や、人材派遣会社、商事会社などを立ち上げて顧問業を行なっていますが、これから特に力を入れていきたいのはドローン事業です」

 

 

AI技術の可能性に挑む

「ドローンには大きな可能性を感じています。ドローンは、今まで不可能であった、または重労働であった人の手に代わり、不可能を可能にすることができます。ドローンを活用することで人々の危険な作業や手間のかかる作業を大幅に低減することができます。

たとえば敦賀市の夏の観光地として知られている水島。水島の松につく『松食い虫』の退治は、今は色ヶ浜から船を出して行なっています。しかし毎回、船を出して人手を必要とすると、時間もコストもかかります。そこで活躍するのがドローンです。ドローンを使って上空から松食い虫を駆除する薬を散布します。船を出さなくとも色ヶ浜からドローンが飛んで行くので、薬の散布作業が楽になります。ドローンにはカメラもついているので、薬を散布したい場所に散布できるよう、自在に操縦することができます。

そして今、最優先で取り組みたいと思っているのが、ドローンを使った除雪作業です。私が経営している商社ではJRの駅ホームの除雪作業を請け負っていますが、人手を使っての除雪作業は本当に大変です。

しかし駅のホームだけではなく、企業の駐車場や病院のスロープ、保育園の駐車場なども、今は十分に除雪ができていない状態です。除雪が十分にできていないことで、雪が凍って滑ったら危険だと感じました。

さらに豪雪地帯では高齢者が雪下ろし作業中に屋根から転落する事故や、落雪事故が後を絶ちません。そういった雪害事故は、ドローンを使って上空から融雪剤を散布すれば減らせると考えています。

敦賀市では高齢者の屋根の上の除雪作業に補助金が出ますが、ドローンでの除雪作業にも補助金が出るよう、市と交渉しています。

また、高齢者の住宅だけではなく市から補助が降りるような一般住宅にも、ドローンを使った除雪作業に補助金が出るよう、市と交渉しています。無事に助成金が降りるようになり、敦賀市での成功実績ができれば、福井市など各地の豪雪地域でドローンでの融雪剤散布事業を広げていきたいと考えています」

 

 

 

これからのビジョン

「20歳で起業してから30歳の今まで、時代のニーズに応える形で幅広く事業を展開してきました。時には失敗もありましたが、失敗をしてもチャレンジし続けることで得たものは多いです。特に人とのご縁はかけがえのない財産です。

これからも視野を広く持ち、たくさんの人と関わりながら、社会の問題を解決する事業に取り組んでいきたいです。

堀江貴文さんの著書『多動力』の考え方に近いかもしれませんが、一つのことだけに集中するよりも、同時に複数のことを幅広く手がけることで、視野が広がり、時代の変化をいち早く読めるようになります。

日本は失敗が受け入れられにくい部分がありますが、チャレンジしているからこそ失敗はつきものです。失敗を恐れて何も挑戦しなければ、そのまま年を取るだけで人生が終わってしまうでしょう。

破産をしたときには妻子がいるのに家を失ってしまいましたが、それでもついてきてくれた妻には感謝しています。家族や周りの人たちに支えられて、今があります。また挫折することがあっても、へこたれないでしょう。いつも人には恵まれていると感じます。

支えてくれる人たちのため、子供達の未来のためにも、最先端の技術力で、日本をより住みやすい国に変えていきます」

 

 

 

 

 

 

福谷学さんはクラウドファンディングでご協力くださる方、一緒にドローン事業に取り組んでくださる方を募集中です。

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